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駿河会に入職を決めた理由
高校卒業後、最初は大学に行こうと考えていました。でも明確に「何がやりたい」が決まっておらず、そのまま大学に進むより将来役立つ資格を取ろうと思いました。祖母が曾祖母の介護を家でしていたことがあり、それを見て育ったからか、自然と資格を考えたときに「介護がいいな」と思い、専門学校に入学しました。
介護の学校だったので、授業に実習があり、その中に駿河会がありました。他にも実習に行きましたが、ここでは時間の流れが全く違いました。入居者の方、スタッフ双方にゆとりと温かみが感じられ、ここなら私が家で見てきたような、自分がやりたいと思う介護が出来るのではないかと思い、入職を決めました。
いまの仕事
入居者の方それぞれのありかたや生活リズムを把握して、クオリティを保つサポートをしています。
サポートの元になる情報は、スタッフ全員でシェア出来るよう、細かく記録されています。大体の1日の行動や、お茶の好みや食べ物の事など多岐にわたり、誰が担当しても、その方のリズムや好みから外れないようにしています。月に1回スタッフ会議があり、その時に情報交換や改善したほうが良い点などを検討し、アップデートしています。
私はまだ2年目なので、先輩に聞きつつ試行錯誤の毎日ですが、どうしたらうまく出来るかを考えて動けるようになってきました。入居者の方が心地よく生活をしていただける事を、常に考えて行動するようにしています。
あなたにとって介護とは
誰しもがそうだと思いますが、自分の人生を生きています。その歩んできた人生で、生活リズムや好みは形成されています。それを壊さぬよう、その方の人生を続けて頂くサポートが介護だと思っています。
例えば、朝はご自身で起床されたい方、お風呂は一番風呂がいい方、お茶ではなくコーヒーが好みの方、施設内を散歩されたい方など、様々です。そうした意向に出来る限り沿って、その方らしい生活を送っていただけるよう心がけています。
最初の頃は、逐一お聞きしていましたが、最近は段々と「そろそろ横になりたいかな」「お茶が飲みたいかな」など察することが出来るようになってきました。介護の仕事は、入居者の方の生活そのものですので、それがわかるようになってきたのは成長だと感じています。
これからの「わたし」
自分が若干引っ込み思案で、先輩になかなか話すことが出来なかった時があるので、そんな私のような人でも気軽に話しかけられる先輩になりたいと思っています。今更こんなこと誰にも聞けないって思ってしまうようなことを聞いてもらえるくらい、話しかけやすくありたいと思っています。
あと、自分から積極的にケア方法を提案・相談し、より良いサポートを行うためにも、将来的には社会福祉士やケアマネジャーの資格を取って、仕事の幅を広げたいと思っています。自信をつけて、これからの人生を自分の手で形作っていきたいです。
明け方、見回りで居室にお伺いしたときに、偶然起きている方がいました。その方に「今何時?」と聞かれ、手で「5」「3」「0」とジェスチャーしました。
しかし、「5」がパーに見えてじゃんけんと思われたらしく、「3」がチョキ、最後の「0」がグーで、その方が最後チョキを出されたので、「負けちゃった」となってしまったことがあります。じゃんけんじゃないよ、とお伝えするのが少し大変だったのですが、お互い笑ってしまいました。こうしたことは私たちスタッフにも、入居者の方にも、時間と心にゆとりがないとできないことだと思います。
日常で起きるこうした小さな出来事が、駿河会での介護にあるゆとりや暖かさの象徴だと思います。そしてそれは、私がしたかった介護の形なのです。そんなところが大好きです。
2019年4月 静岡福祉医療専門学校 総合福祉科卒業後、介護職員として社会福祉法人駿河会に入職。
特別養護老人ホーム晃の園にて、介護職員として勤務。
今は新型コロナウイルス感染症の予防のため、家で映画を見るのが好き。最近NETFLIXを契約しました。
私が入職したのと同時期に入居された方がいらっしゃいます。最初の頃は気を使ってあまりご自身からの希望を口にされずにいました。スタッフが細かく聞いていくうちに、徐々にこれがしたい、あれがしたいというご希望を言っていただけるようになりました。表情もどんどん柔らかくなり、他の入居者の方と食堂でお話をされ、と打ち解けていく過程を嬉しく見ていました。
知らない場所に知らない人といるのは誰しも緊張するものですが、家族や家では身構えませんよね。ご希望を言っていただけると、少しでもその方の中で家族や家に近づけたのかな、と思えるので、とても嬉しく感じます。
私とほぼ同時期に施設に入られたからか、一緒に場所や人に慣れていった同期のような気持ちがしています。きっと入職当初はわたしの表情も硬かった事でしょう。今ではその方と同じくらい、柔らかくなっているといいなと思います。
インタビュー日 2021年1月