ある利用者様のエピソードを紹介いたします。
嘉響に通い始め早数カ月。
職員や他の利用者様と一緒に活動する中で、
「昔みたいなやってみようという気持ちが出てこないんだよね。体の不調から、何をやるにも億劫になってしまっている。みんなはいろいろ作っているけど、嘉響に通っていてもいいのだろうかと悩んでしまうよね。」と素直な気持ちを言葉にしてくださいました。
この方は、昔から手芸が好きで、たくさんの作品を作ってきたそうですが、肩の痛みがでてきてからは、好きな手芸もやれなくなってしまい、嘉響に通う他の方が楽しそうに、作品作りをしている様子を見て、そう思ったとのことです。
年を重ねると「足が痛い」「腰が痛い」と身体の不調が重なり、思うように体が動かなくなると何かをやってみようと思う意欲が低下したり、新しいことにチャレンジすることに躊躇してしまうのも当然な話だと思っています。
先日、職員が広告紙で体操に使う道具を作っていると、
「これどうやって作るの?私でもできる?次にやってみたい。」
「芯はどうやって作る?広告は何枚使うの?家に広告がいっぱいあったから、持ってくるね」と声をかけて下さいました。
作品作りはたくさんの活動の中一つの選択肢です。
このように、以前とおなじようなことはやれなくなってしまったけど、今のご自身ができることを見つけ、「体操の道具を作って自宅でも運動してみたい」「何か自分にも手伝うことがないかな」と想う気持ちにこれからも寄り添っていきたいと思っています。