先日、日本口腔ケア学会の研修を聴講してきました。
会場は、清水区役所3階のふれあいホール。
木を基調とした劇場のような造りでした。
研修テーマは、『ライフステージに応じた口腔ケア』
幼児~中学生まではそれそれが所属する団体で歯科検診が行われ、
早期発見・早期処置ができるけれど、高校生以上は自己判断に委ねられるため
歯科受診率が下がり、口腔機能のトラブルが見過ごされている現状があるとのこと。
また、歯周病などの口腔トラブルが全身トラブルにつながることは広く知られているのに、日常的な口腔ケアが浸透しないのはなぜだろうといった話や高齢者にとっては口腔ケア実施による発熱・肺炎の発症率や死亡率の低下につながるとの検証結果が報告されていました。
「歯をみがく」という行為には、
・今から歯をみがくぞ!という認識ができ、
・歯ブラシを手に持ち、
・歯ブラシを口に運び、
・細やかに歯ブラシを動かす
工程があり、どれか1つでも欠けると成立しないそう。
高齢者施設に歯科訪問診療に行っている歯科医師によると、
介護職が高齢者の口腔ケアを「自立」と判断する時、
「手に歯ブラシを持てる」=「自立」という安易な評価が多く、
ご本人による歯磨き実施後の口腔内の観察と
必要時に手を差し伸べることが漏れているとのご指摘がありました。
視点を変えて高齢者介護を見つめ直す貴重な研修でした。