今まで当たり前に見えていた景色が見えなくなるとしたら…
病気により徐々に見えなくなると説明を受けただけで、
私のこの先の人生はどうなるんだろう?と漠然とした不安を感じます。
ヘルパーが訪問開始した頃は、近づけばヘルパーの顔が認識できたのが、
今では靄の中にヘルパーがいて、近づいても表情は見えないのだそうです。
・季節が変わり、昨年まで使っていた電気ストーブを出したけれど、電源や強弱の
ボタンがわからない…
・洗濯機の「おしゃれ着コース」の設定はどこのボタンを何回押したらいいんだったかしら?
・水道光熱費の請求書が届いたけれど、いくらって書いてあるのかしら?
・着ようと思っている服を記憶を辿って探しているけれど見つからない…
・ミカンを買おうと思ったら右にも左にもオレンジ色があって、違いが判らない…
・銀行でお金を引き出したいけれど、タッチパネルの暗証番号は凹凸がないから手探りしている内にエラーになっちゃう…
などなど、日常の困ったエピソードがたくさん聞かれます。
この先、もっと見えなくなったらどう生きて行けばいいのかしら?
その問いに即答できる回答を持ち合わせておらず、
ひとつひとつ一緒に解決していきましょうと答えるのが精一杯でした。
見えることの有難さを実感する一方で、
たとえ見えなくなってしまっても、安心して暮らしていけるサポートって何だろう
と考えるきっかけになりました。