利用者様が楽しめる話題の上位にある”思い出話”
楽しめて、懐かしくて、そして話が尽きない
それが思い出話です。
先日、ある利用者様の送迎時に、とある集落を通りかかった際
「子供の頃私はここに住んでいて、よく下の集落までお使いに行かされただよ」
そうなんですね…
「そんな時、かならず付いてきてくれる近所の男の子がいたっけなぁ」
よく話を聞くと、その近所の子は、同じデイサービスの違う曜日の利用者様でした。
距離もそこそこあり、道路事情も今とは比べるべくもない時代のこと
「その子がいてくれるだけで、どれほど心強かったか…」
「当時、私は12歳くらいで、その男の子は5歳くらいだったかな」
うーん、ざっと80年以上前の話ですね。
「もうすっかりご無沙汰してるから、きっと覚えちゃいないだろうね」
と、たっぷりの懐かしさの中に、寂しさも少しだけ含めたような笑顔を見せてくれました。
後日、その話に出た利用者様に、相手の方の名前は伏せたままで
こんなことがあったこと、覚えていますか?
と尋ねてみたところ
「あったよ、よく覚えてる。よくお使いについていったよ」
と、さも当たり前のことのように答えてくれました。
「あの○○さんは、良い人でなぁ…」
そうおっしゃりながら、やはり昔を懐かしんでいる昔男の子だった利用者様
私は嬉しくなり、そのことを昔女の子だった利用者様に伝えずにはいられませんでした。
□□さん、当時のことや○○さんのことを覚えていましたよ
そうお伝えしたところ、
「そうかぁ、覚えていてくれたか…嬉しいなぁ」
と満面の笑顔に。
「あんた聞いてくれたのか、ありがとな」
そう言う利用者様の目には涙が。
とてつもなく懐かしい、会って話もしてみたい、
でも、もし相手が覚えていなかったら…寂しい
そんな不安な様子を見せていた利用者様だけに
『覚えていてくれた』
これ以上の良い知らせはなかったようです。
暫くの間、涙が止まることのなかった利用者様の様子を見ながら
こちらまで嬉しくなってしまいました。
今度何かの機会に、是非顔を会わせて
昔話に思いっきり花を咲かせてください。