先日参加したケアプランに関する法人内研修で、利用者様のケアプラン(介護計画)に関するチェックポイントのひとつに『ケアチームとして最終的に到達すべき方向性や状況がわかりやすく示されているか』という項目を目にしました。
最終目標…勿論大切ですね。そこが不明瞭だったり漠然としていたら、そこを目標とするプラン自体もぼやけたものとなってしまうからです。
大川のデイサービスの場合に、個々の利用者様の最終目的が何になるのか…改めてイメージしてみました。
ほとんどの利用者様が、この地域で産まれ、育ち、学び、働き、結婚し、子育てをして、今を迎えています。長い長い時を経た人々との付き合いや、家の周りの畑や田んぼなど大地との繋がりなど、当たり前ですが、膨大な時の流れの中で様々な事を経験し、苦しんだり楽しんだりしてこられました。高齢期を迎えた今、利用者の皆様は、それら大切にしまわれた思い出たちと共に、やはりこの地域で、人と大地と共に、今までどおり毎日を過ごしていらっしゃいます。
先日、新規でご利用をされる方のご自宅に訪問させていただいた時にも、家の中の光景(テーブルの上の雑貨や台所の流しの食器、壁に掛けられた古い時計、家族の写真など)から、一人暮らしだけど、今までどおり毎日を(多少の不便を感じられながらも)しっかりと暮らしていらっしゃる様子がはっきりと伝わってきました。開け放された玄関の先には、離れて暮らす家族が吊るしてくれた簾が風に揺れていて、その向こうには毎日見回り手を掛ける畑の野菜たちがうっすらと見えていました。
最終目的…明確ですね。利用者様の今の暮らしを続けていただくこと。多少の不便を感じながら、そして身体や心の変化に戸惑いながら、でも今までどおりのご自宅での暮らしぶりを出来る限り長く続けていただくためのお手伝い。それが大川デイサービスが考える明確な方向性です。先日、独居の方がご自宅で亡くなられました。その方はその2週間前まで、普段通りデイサービスをご利用されていた方です。勿論人が亡くなるというのは悲しいことなのですが、その方が最後までご自宅で生活できていたこと。そしてささやかながらデイサービスがその方の暮らしを支える一部となれていたということは(誤解を恐れずに書きますが)私たちにとって誇らしいことでもあります。
そんな明快な最終目的地のイメージを視野の隅に置いて、そのために私たちに出来ることを考えながら、これからも毎日のデイサービスでの関りを大切にしていきます。